【塩の性質】酸性塩・塩基性塩の特徴

塩の性質について
塩の性質を知ることは、医学薬学的に実は大きな意味を持ちます。
高校の化学でも出てくるのですが、その重要性が分からずに、よくおろそかにされます。

Check Point!!
・酸性塩は塩基性水溶液に溶けやすい
・塩基性塩は酸性水溶液に溶けやすい

塩と言ったら最初に思い浮かべるのが、NaCl (塩化ナトリウム)ですね。ただ、塩にもいろいろあるんです。
そもそも塩とはなにか?
簡単に言うと、イオンとイオンが結合したものです。

酸性塩(強酸性物質と弱~中塩基性物質の塩)
NH4Cl (塩化アンモニウム:塩酸+アンモニア)

塩基性塩(強塩基性物質と弱~中酸性物質の塩)
Na2CO3 (炭酸ナトリウム:2水酸化ナトリウム+炭酸)
NaHCO3 (炭酸水素ナトリウム:1水酸化ナトリウム+炭酸)
Na2PO4 (リン酸ナトリウム:水酸化ナトリウム+リン酸)
Na2(COO)2 (シュウ酸ナトリウム:水酸化ナトリウム+シュウ酸)

などが挙げられます。

塩化アンモニウムが酸性である理由ですが
まず塩を水に溶解すると
NH4Cl → [NH4+] + [Cl-] に解離します。
NH4+はNH3(アンモニア)H+を受けとった状態です。
実はアンモニアはH+を保持しておく力がそこまでありません。
なので、水などに溶けてしまったNH4+は、平衡により
NH4+ → NH3 + [H+] となって、酸として働いてしまいます。