酪酸産生菌が、IBD(炎症性腸疾患)、CD(クローン病)、UD(潰瘍性大腸炎)に有効!?鍵は短鎖脂肪酸(SCFA)。

まだ執筆中ですが、情報を提供したかったので先に公開しています。

 

腸内細菌の重要性は、メディアとかでも取り上げられている周知の報ですが…

当然ながら、腸内細菌は炎症性腸疾患(IBD)にも関係しています。

そのカギは腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸(SCFA:Short-chain fatty acid)にありました。

 

短鎖脂肪酸(SCFA)とは?

短鎖脂肪酸とは、その文字通り炭素鎖の短い脂肪酸ですね。

大体炭素数2~6程度のカルボン酸です。8以上は中鎖脂肪酸ですね。

短鎖脂肪酸(SCFA, Short-chain fatty acid)

 

 

 

この中の酪酸が便や腸の病気に影響することが知られており、注目されています。

非常に小さい化合物ですがこんなものが生体内での効果を持つのでしょうか?

 

炎症性腸疾患では腸管内の酪酸濃度が大幅に減少

実は、SCFAは腸内環境を整えるための重要な因子として昔から知られています。

潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病患者において、特に短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸など)が減少している報告がいくつかあります。

潰瘍性大腸炎(UC)と酪酸

潰瘍性大腸炎症例の便中細菌と短鎖脂肪酸

参考文献はこちらですが…

実は、1980年頃から便中のSCFAが潰瘍性大腸炎に重要であることが知られていたようです。

研究の結果によると、腸内細菌量が増えるとSCFA量も増加するとされています。

 

クローン病(CD)と酪酸

クローン病といえば、消化管全体の病変となりますが

腸疾患における腸内細菌のかかわり

クローン病の方が、UCよりも酪酸濃度が低下していることが報告されています。

 

酪酸が免疫反応を調節している!

昔から、SCFAとIBDの関係が芳香され続けてきましたが、

近年の研究結果でそのメカニズムが解明されました。

2013年頃の研究結果です。理化学研究所のページに内容がまとめられていますので詳細が知りたい方は下のリンクを訪問されてください!

腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ

酪酸は、制御性T細胞の機能を正常化させていることがわかりました。

簡単にまとめると酪酸が制御性T細胞を正常化させ、T細胞の機能不全を抑制します。

よって、IBDの炎症反応は酪酸不足が鍵になっている裏付けがとられました。

 

 

酪酸産生菌を含む医薬品、食品

続いて、臨床の現場で活用するための情報をまとめていきたいと思います。

 

医薬品

ミヤBM

Clostridium butyricum という、ザ・酪酸菌を含有している薬です。

butyriというあたりが酪酸感全開です。

Clostridium butyricumは、芽胞を作るため胃酸に安定で腸に届きます。

 

 

食品

酪酸産生菌を含む食品として、ぬか漬け酪酸菌ヨーグルトサプリメントがあります。

また、次の食品は、酪酸菌を腸内で育てるための栄養素となります

ゴボウやタマネギ(イヌリン)、柑橘類、リンゴ、バナナ(ペクチン)、大麦や酵母(β-グルカン)、トウモロコシ(水溶性食物繊維)

酪酸菌とは直接関係ありませんが、

n-3系多価不飽和脂肪酸を含む、魚やエゴマ油などがIBDに良いようですね。

一方、n-6系の脂肪酸はアラキドン酸の原料になり、炎症性サイトカインが増えることが示唆されているようです。マウス実験だったりしますが…

小児期慢性腸疾患の病態と免疫

 

酪酸はどうやって産生されるの?

Point!!
ごめんなさい作成中です。

 

まとめ

以上、短鎖脂肪酸とIBDについて調べてみましたが、

IBD患者にとって食生活と腸内環境の管理は、疾患を制御するための重要なファクターと言えそうですね。