医薬品の名前(成分名)にはステム(stem:幹)がある!!

 医薬品の名前にはステム(幹)というものがあります。

薬学で医薬品について学習された方であれば、医薬品の成分名には共通項があることを知っていると思います。アトルバスタチン(リピトール)やロスバスタチンのような共通名のことです。

ジェネリックも成分名化が進んでいるため、一般名を忘れつつある現場の薬剤師には、再認識していただきたいですね。

本もあるので紹介しておきます。

宮田直樹編著 ”ステムを知ればクスリがわかる”
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では本題に。

今回の記事は、ファルマシア2017(53), 297-300.に掲載された
高橋秀依(TAKAHASHI Hideyo)帝京大学薬学部教授 著
~ステムは医薬品のあいうえお~

を参考にさせていただいております。

Topics & Check Point !!
1. 医薬品の名前について
2. 代表的なステム
3. ステムを活用する

1:医薬品の名前

医薬品の名前には、商品名と一般名(成分名)があります。

冒頭でも出しましたが、リピトールを例に解説します。

商品名:リピトール
成分名(一般名):アトルバスタチン

となっており、リピトールはあくまでも会社がつけた商品用の名前です。

また類似した薬でクレストールがありますが

商品名:クレストール
成分名(一般名):ロスバスタチン

となっており、例に挙げた二つは、効果が同じスタチン系と呼ばれる薬で「~バスタチン」がステム(幹)とされています。

2:代表的なステム

~アゼパム(azepam) ジアゼパム
~アゾラム(azolam) ジアゼピン
~プリル(pril) アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)
~サルタン(sartan) アンギオテンシンⅡ需要体拮抗薬(ARB)
~プラゾール(prazole) プロトンポンプインヒビター(PPI)

という風であり、ステムをしっかり理解していれば、医薬品をしっかりと分類でき、薬を覚えるための労力を最小限に抑えることができます。

また、商品名にはステムはありませんが、商品名をつけた理由は、各薬剤のインタビューフォームから確認することができます。

3:ステムを活用する

薬学生は、医薬の名前は成分名で覚えます。最近はジェネリック名も成分名化されているために、ステムを理解することで、薬学部での学習をそのまま活かしやすくなってきています。

薬局の棚も、ステムに従って並べるというのもありだと思います。
(実用性に欠けそうですが…)

学生時代に必死になって覚えた、「成分名」現場でフル活用していきましょう。