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カルシウムチャネルブロッカー(CCBs)の使い分け~受容体の選択性に基づく、不整脈、狭心症、高血圧への薬剤選択方法~

2019年03月11日

降圧薬の正しい選び方
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CCBの正しい選び方 ←この記事ではこれを解説します
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カルシウムチャネルブロッカー[calcium channel blockers (CCBs)] 

カルシウムチャネルブロッカー(CCB)は、臨床でもよく使用される薬剤です。血圧を下げるための降圧薬として使用されていたり、頻脈性の不整脈を改善するために使用されたりしています。

CCBの種類は、ジヒドロピリジン系非ジヒドロピリジン系に大別されます。

いずれのCCBも、血管平滑筋や心筋などで、カルシウムチャネルを阻害し、血管の収縮を阻害することや、心筋の刺激伝導系を阻害することで薬効を示します。

Check Point!!
・受容体のサブタイプを把握
・腎保護作用、心臓選択性を使い分ける

今回、CCBsのreview

Discovery and Development of Calcium Channel Blockers.

Ca拮抗薬とATPの抗不整脈作用」小野克重

を参考にしました。大変良くまとまっている文献なので、専門家の方は一度読んでおくとよいかと思います。

では、内容に入っていきます。

CCBの受容体サブタイプ一覧

カルシウムチャネルは、構成部位の違いで分類されています。大きな分類として、L, T, Nなどの分類があります。教科書レベルでは、「ジヒドロピリジン(DHP)系のCCBはL型を遮断する」と学習するかと思いますが、もっと細かい分類を知っておきましょう。
構成サブユニットのサブタイプと発現部位を以下の表(Table 1)にまとめました。

Caチャネルの構成サブユニットの分類と発現部位

引用Discovery and Development of Calcium Channel Blockers.

 

ヒドロピリジン(DHP)系

第一世代:短い作用時間

ニフェジピン(アダラート)、ニカルジピン(ペルジピン)

第二世代:長い作用時間

ニルバジピン(ニバジール)、ニソルジピン(バイミカード)、ニトレンジピン(バイロテンシン)、マニジピン(カルスロット)、ベニジピン(コニール)、バルニジピン(ヒポカ)、エホニジピン(ランデル)、フェロジピン(スプレンジール、ムノバール)、シルニジピン(アテレック)、アラニジピン(サプレタス、ベック)

第三世代:長い作用時間、長期使用しやすい

アムロジピン(アムロジン、ノルバスク)、アゼルニジピン(カルブロック)

非ジヒドロピリジン(non-DHP)系

クラスⅣ不整脈薬

ベラパミル(ワソラン)、ジルチアゼム(ヘルベッサー)

 

CCBの各疾患や病態に対する使い分け

CCBはカルシウムチャネルを阻害する薬剤ですが、心臓と血管のカルシウムチャネルいずれを阻害するかで、薬効は変化します。

Table 1に、カルシウムチャネルの分類を示しましたが、正直

大切なのは、L型(Cav1.2)、N型T型の3種です。

ジヒドロピリジン系および非ジヒドロピリジン系のCCBが選択的に作用するのは、Cav1.2であり、DHPは平滑筋への選択性が、非DHPは心筋への選択性が高いとされています。
(詳細は、本記事の下を)

ジヒドロピリジン系のCCBの中には、N型やT型にも選択性を持つものがあります。特にT型は、腎臓(ネフロン)の輸出細動脈にも存在しているため、T型の阻害作用を併せ持つ、CCBsは腎負荷の軽減が期待できます。輸入細動脈と輸出細動脈

・心筋選択性が高く、不整脈に使用(ペースメーカー)

ベラパミル(ワソラン)、ジルチアゼム(ヘルベッサー)

・冠攣縮性狭心症に使用される(心筋選択性+血管平滑筋選択性)

ジルチアゼム(ヘルベッサー)、ニフェジピン(アダラート)

・L+T型チャネル(Cav3.2)阻害効果(腎保護陰性変時作用があり反射性頻脈を抑制)

L+T:エホニジピン(ランデル)、アゼニルジピン(カルブロック)、シルニジピン(アテレック)

L+T+N:シルニジピン(アテレック)、ベニジピン(コニール)

 

CCBsの化学的特徴

Science Point!!
・中性のDHPはCav1.2b(平滑筋)を選択的に阻害
・ベラパミル/ジルチアゼムは、開口頻度の高い、同房結節、房室結節で機能
・DHPは、浅い電位の受容体(平滑筋)選択性が高く、高電位(心筋)受容体への選択性が低い

DHPは、カルシウムチャネルの外側に結合して受容体を阻害します。

一方、ベラパミル、ジルチアゼムは、Caチャネルの開口頻度が多い部位で効果を示す。

ベラパミル、ジルチアゼパムは生理的pHでは、イオンであり、細胞内部からチャネルを遮断します。そのため、高頻度に開口している同房結節、房室結節でよく機能します。
引用「Ca拮抗薬とATPの抗不整脈作用」小野克重

私の仮説ですが、
おそらく、DHPの結合領域が脂溶性なのでしょうか?
そのため、生理的pHでイオンであるベラパミルやジルチアゼパムは、DHP結合部位に結合できないという仮説は立てることができます。

 

 

Synthesis and biological evaluation of novel N3-substituteddihydropyrimidine derivatives as T-type calcium channel blockers and their efficacy as analgesics in mouse models of inflammatory pain

Synthesis of new N3-substituted dihydropyrimidine derivatives as L-/T- type calcium channel blockers

最後まで読んでいただきありがとうございました。