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(日本語) 辛い味(カプサイシン)が牛乳やヨーグルトで抑制できる理由

Sorry, this entry is only available in Japanese. 唐辛子といえ”辛い”ということで誰でも知っている調味料ですね。そしてその成分は”カプサイシン”というのもまた多くの人が御存知でしょう。この記事では、最近テレビでもよく見かける辛いものを食べたときになぜ乳製品がいいのかを科学的な理由で解説します。 辛味の成分カプサイシンについて 唐辛子が含む辛味成分のカプサイシンについて化学構造や性質を見てみましょう! カプサイシンの化学構造 唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは無色の固体です。構造からみても共役系はあまり長くなく可視光領域に吸収がないことが予想できます。辛い成分は赤いイメージがありますが、辛さの成分は無色です。構造としては、バニリル構造と脂肪酸アミドから構成されています。 スパイスと調理科学、岩井和夫、1988 年 21 巻 2 号 p. 98-104.   物理学的性質 カプサイシンは水に混ざらない油状の物質です。辛い中華料理などでは、よく料理の表面に”赤い油”が浮いています。これにカプサイシンが溶け込んでいます。赤くなるのは唐辛子の色素成分もカプサイシン同様に脂溶性の物質だからです。 辛い料理では、あらかじめ油でカプサイシンを抽出して調味料(ラー油)としたものが使われていることが多いですね。   カプサイシンの辛味を抑える方法 科学的にカプサイシンの働きを抑制する方法を解説します。 牛乳やヨーグルトといった乳製品(親水型) 代表的な方法は乳製品を摂取することです。カプサイシンは、カプサイシン受容体TRPV1に結合することで”辛さ”を発揮します。特にこれが口腔内(舌)に接触し続けることで辛さが持続します。脂溶性成分が口腔からすぐに流れていく状態を作ることが大切です。 ここで質問です。牛乳やヨーグルトは”脂肪分が多い”とよく聞くことがあるかと思います。しかし、”油”と感じますか??? 油というと、料理に使うサラダ油のようなヌルヌルしたものがイメージされますが、牛乳・ヨーグルトは違いますよね。実は牛乳やヨーグルトは、薬学的にはO/W型エマルジョン(水中油型エマルジョン)と言われ、脂溶性の性質と水溶性の性質を持つ成分から構成されています。 したがって、カプサイシンやラー油といった脂溶性の物質を包みこんで流すことができます。これが乳製品が辛味の軽減に効果的である理由です。 よく水を飲むことがありますが、これは”冷却”の効果(TRPV1は43℃以上で高い受容体活性を持ちます。消化管スパイスセンサーとその機能:辛味は胃腸でも味わう)は期待できますが、乳製品ほどの力はないはずです。 乳製品に限らず、例えばプロテインのようなものも同様の効果が期待できるでしょう。   ブルーベリー テレビ番組でブルーベリーが効果があるという内容を見ました。科学的にどのようなメカニズムがあるのでしょうか…? 軽く調べましたがよい答えが見つからなかったので、保留とします。詳細情報がまとまったら更新します。  

お茶の薬学

Point! ・お茶うがいは、最強! ・抗酸化作用があり、美容と健康にGOOD! ・多くの医薬品と飲み合わせOK。 日本人の大好きなお茶にまつわる薬学の内容を記事にしてみます。 お茶とは? まずは、「お茶」という飲み物の実態です。お茶に含まれる成分としては、フラボノイド(カテキン)、タンニン、カフェイン、ビタミン群やタンパク、多糖類が挙げられます。(詳細はこちらのサイトへ) この中で、薬理学的な活性をもつものとして、フラボノイド類(カテキンを含む)、タンニン、カフェインでしょうか? これらが、薬と相互作用したり、生体に良い効果を示したりします。 私がお茶で連想することといえば、まずはお茶うがいです。というのも、この記事を書いてるときに風邪をひいてたからです。 お茶うがいとは、カテキンの殺菌作用を活用した健康維持方法になります。 「うがい薬」と聞いたときに思い出すものは、茶色いヨウ素系の消毒剤であったり、緑や青色のものだと思います。 これらの殺菌効果も十分にあるのですが、茶カテキンも優れた効果を有しています。 いい文献があったので紹介します。(茶カテキンの機能性とその応用例) この日本食品保蔵科学会誌(原 征彦 著)の報告によれば、茶のカテキンは、飲料(500-1000ppm)よりも低い濃度(数百ppm)で黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、セレウス菌、腸炎ビブリオ菌などの食中毒の原因菌に対し、発育阻止を示すのに対し、乳酸杆菌やビフィズス菌い対しては発育阻止を示さないということが示されています。 つまり善玉菌のみを生かし、悪玉菌の増殖を抑制する効果が示されてます。 また、インフルエンザウイルスの飛沫ウイルスに対する抗ウイルス作用も示されています。 お茶を飲むことや、お茶でうがいすることは、感染防御の面から、非常に有効ですね。 ペットボトルのお茶ではなく、急須で入れたお茶のほうがカテキン量も多く、効果があるみたいです。 美容の維持にも重要です カテキンには、抗酸化作用があります。人体が酸化されることで、血管がダメージを受けて血栓症につながったり、肌荒れも生じます。 体の酸化は地球(酸素があるところ)に住んでいる限り回避できません。ただ、いわゆる抗酸化作用を持つ物質を摂取することで、酸化によるダメージを回避できます。 私たちは、ビタミンCやEなどを摂取して、この酸化から身を守っています。 カテキンを摂取するということは、ビタミンを摂取するのと同じぐらい大切なことです。 ここで化学 抗酸化物質とは、還元作用を持つ物質ということです。 人体が酸化されるよりも早く、酸素から生じた酸化活性物質を還元するために人体を保護できます。 ポリフェノール、ヒドロキノンなど共役した二つの水酸基を持つ分子が、ジケトンへと酸化(OHからケトン、二つのHを供与)されることで、生体内で生じた活性酸素種を還元します。 ちなみに、抗酸化作用が関係するのですが、がん予防効果もあります。がん予防に必要な一日の飲料は155mlを10杯(1.5L !!!)と報告されています(茶業研究報告 , 2004, 97, 49-58.) しかしこれはがん予防目的の量であるため、血管強化などの健康維持にはもう少し少ない量でいいでしょう。 風邪などの予防であれば、一日数回のうがいでも十分だと思います。 そしてやはり、ペットボトルではなく、急須で入れた茶がいいようですね。 蛇足ですが、 貧血の人には良くないという記事をよく見ますが… タンニンと鉄がキレートするとされていましたが、貧血の人は鉄の吸収率が良いため大きな問題にはならないとされています。 日本人にとってとてもなじみ深い飲み物のお茶ですが、これだけ私たちの体を守ってくれていたのですね。 お茶を飲む文化は大切にしていきたいですね。