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(日本語) アラベル(アミノレブリン酸)の作用機序と併用禁忌(光線過敏症誘発薬)の科学

Sorry, this entry is only available in Japanese. (本記事には執筆途中の部分が多々あります、ご了承ください) 病院薬剤師の方と話す機会があり、次の質問を受けたので解説記事を書いてみます。 質問は「腫瘍を可視化するアラベルが光線過敏症を起こす薬剤と併用できないのは科学的にどのような理由なのでしょう?」 でした。私勉強不足でこの薬剤について知識がなかったので、この度勉強してみました。せっかくなので情報をまとめたので、どなたかの参考になればと思います。   アラベルとは まず、アラベルに含まれる有効成分の検索をしましたところ、成分は「アミノレブリン酸」(略:ALA)でした。 構造は以下の通りです。 ん?? 「どうやってこんなものが作用するの??UVも吸収しない(正確には日常的に触れるUVAとUVB)だろうに光線過敏症??」 というのが初めて見た瞬間の感想でした。調べていくといろいろとわかることがありましたので以下にまとめました。   アラベルの適応 悪性神経膠腫の腫瘍摘出術中における腫瘍組織の可視化 添付文書の記載そのままですが、手術で腫瘍を可視化するために使用される薬剤となります。   アラベルの作用機序 ALAを投与することで生体内でプロトポルフィリンIX(PPIX)が生成します。PPIXは400-410nmの青色光線による励起により赤色蛍光を発するので腫瘍が可視化できます。 アミノレブリン酸は腫瘍細胞に取り込まれ、プロトポルフィリンへと代謝されます。腫瘍細胞ではPPIXの生成速度が速く、PPIXからヘムの合成が遅いのでPPIXが腫瘍細胞に蓄積します。 というのが添付文書の内容です。   アラベルの科学 添付文書からは上記のような情報が得られましたが、科学的な情報がほとんど含まれていませんでした。そこで文献サーチに入りました。下記の文献がよくまとまっていましたね。 The Porphobilinogen Conundrum in Prebiotic Routes to Tetrapyrrole Macrocycles 上記の文献でも解説されていますが、下の図に示したように、ALAは生体内の酵素の働きにより二量化してピロール化合物であるピロールプロフィブリノーゲン(PBG)を形成します。さらにPBGが縮合することで、ポルフィリン化合物のウロポルフィリノーゲンが生成します。これがさらに代謝されることで、プロトポルフィリンIX(PPIX)が生成します。   有機化学に精通している人は、縮合方法にKnorrタイプとFischer-Finkタイプの2パターンあることがわかると思います。詳しく知りたい方は以下の文献を参照してもらえればと思います。(時間があるときに解説します) Competing Knorr and Fischer–Fink pathways to pyrroles in neutral aqueous solution   アラベルが光線過敏症を起こしうる薬剤と併用禁忌である理由 冒頭の質問になりますが、一見、光科学的知見からは光の影響を受けなそうに見えるアミノレブリン酸ですが、ポルフィリンへと代謝されて光との反応性を獲得するという機構でした。これによりポルフィリンが光線過敏症を起こす可能性があるために、その他の光線過敏症を起こしうる薬剤と併用禁忌となったのでしょう。 光線過敏症を起こす薬剤の光感受性を増強するなどのメカニズムがあれば科学的に興味深かったのですが、そのような情報は見つけられませんでした。   ポルフィリン症 調べた中で見つかったのですが、ポルフィリン症と言ってポルフィリンが体に蓄積される疾患があり、この疾患では光線過敏症症状が良く発生するみたいですね。つまり、ポルフィリン環はそれ自身に光反応性があり、皮膚障害を引き起こすということですね。   光線過敏症を起こしうる薬剤 光線過敏症を起こす薬剤のリストもありましたのでまとめておきます。赤字はポルフィリン類似物質です。 向精神薬 クロルプロマジン,プロメタジン,ジアゼパム,カルバマゼピン,イミプラミン 筋弛緩薬 アフロクァロン 抗ヒスタミン薬 ジフェンヒドラミン,メキタジン 抗菌薬 ナリジクス酸,エノサキシン,オフロキサシン,シプロフロキサシン,ロメフロキサシン,スパルフロキサシン,フレロキサシン,トスフロキサシン,テトラサイクリン,ドキシサイクリン 抗真菌薬 グルセオフルビン,フルシトシン,イトラコナゾール 消炎鎮痛薬 ケトプロフェン,チアプロフェン酸,スプロフェン,ピロキシカム,アンピロキシカム,アクタリット,ジクロフェナク,ナプロキセン 降圧薬 ヒドロクロロチアジド,トリクロルメチアジド,メチクラン,クロフェナミド,トリパミド,メトラゾン,フロセミド,塩酸チリソロール,ピンドロール,塩酸ジルチアゼム,塩酸ニカルジピン,ニフェジピン,カプトプリル,リシノプリル 抗糖尿病薬 トルブタミド,クロルプロパミド,グリベンクラミド,カルブタミド,グリミジンナトリウム 痛風治療薬 ベンズブロマロン 抗腫瘍薬 5-FU,テガフール,ダカルバジン,フルタミド 高脂血症治療薬 シンバスタチン 前立腺肥大治療薬 タムスロシン 光化学療法薬 8-メトキシソラレン,トリオキシソラレン,ヘマトポルフィリン誘導体 ビタミン薬 エトレチナート,ピリドキシン,ビタミン B12 抗リウマチ薬 金チオリンゴ酸ナトリウム,メトトレキサート 新しい皮膚科学 第三版 13章 物理化学的皮膚障害・光線過敏症 より引用   半減期は2.27時間だが禁忌薬剤とは2週間を空ける ALAはアミノ酸なので、半減期は2.27時間と短いです。 PPIXも4.91時間とそこまで長くない半減期となっています。 とすると2週間という併用回避はかなり長い印象を受けます。血漿からの消失が早いだけであり、皮膚に蓄積してしまうのでしょうか? わかり次第追記します。情報をお持ちでしたらコメントいただけると助かります。   CYPは大丈夫? ポルフィリンと聞いて思い出すのがCYP! ポルフィリンが増えると鉄に配位したりといろいろ影響しそうですが大丈夫なのでしょうか? これについてもまだ情報をあつめれていないので、見つかり次第更新します。     穴だらけの記事で申し訳ございません。 追記をお待ちください。読んでいただきありがとうございました。

(日本語) フードファイターの健康(消化管機能・便・体重)について調べてみた!!

Sorry, this entry is only available in Japanese. 医療系の人に限らず、「フードファイターの胃や、消化管機能ってどうなってるの?なんで太らないの?」と考えたことがある人は間違いなく多いと思います。 私個人としては、太らないことに関しては、栄養吸収能力の停止と腸内細菌の過剰増殖やなどが原因かなと考えてきました。 この件について私が知りたいこととしては、 1.胃の膨張による、他内臓の変形がおきていないか 2.糞便中の栄養成分量と腸内細菌量 とかでしょうかね? この周辺の情報を調べてみることにしました。   フードファイター(competitive eater)とは?? これについては説明する必要はないと思います。 めちゃくちゃ食べる人ですね!! 英語ではcompetitive eaterと呼びます。   フードファイターの胃 ちょっと面白い動画があったのでシェアしておきます。ホットドッグ69個を食べるフードファイターの胃を再現したものです。フードファイトで食べられる量はやはりすごいものですね。   なんとレントゲンの画像もありました。Are Eating Competitions Dangerous? より引用しました。 驚愕ですね…胃は横隔膜の下に位置していますので、肺は思ってたほど圧迫している感じはないですね。しかし肝臓や小腸大腸はかなり圧迫されているのではないのでしょうか?   フードファイターの便について 一般人とフードファイターで同じものを食べた場合に便の中の栄養素量はどのようになっているのでしょうか? 消化管の通過速度と栄養素吸収の関係も気になるところです。 こちらは現在調査中です。   まとめ:フードファイトはやはり危険 この内容あまり研究が進められてない感じがします。 メディアに出ているフードファイターは体系などは特に普通であることから、検査値的には問題がなさそうですが、多量に食べたものを戻したときに気道が詰まったり、臓器が破裂することも危惧されることから、やはり過食は危険であることに変わりはないですね。 情報が見つかり次第リライトしていきます。

(日本語) 下痢の時にお尻がヒリヒリと痛くなる理由

Sorry, this entry is only available in Japanese. 「下痢の時に、お尻が痛い!!」そんな経験ございませんか? 下痢の時って、別に血は出ていないのに、「切れ痔か?」というほどの痛みがあると思います。 今回の記事ではその原因について言及してみたいと思います! まずは参考資料です。 参考資料 水・電解質の吸収,分沁機構とその異常 花井 洋行, 金子 榮藏 (日本内科学会雑誌1996 年 85 巻 7 号 p. 1034-1041) 胃・十二指腸重炭酸イオン分泌 竹内 孝治 日本薬理学雑誌 (1996 年 108 巻 6 号 p. 281-293) この2報は日本語で読みやすいので、ぜひ目をお通しください!   下痢の時に肛門が痛くなる理由 実はこの記事はtwitterで目にしたこんなツイートから書くことを決めました。 確かにそれっぽそう! 暇な科学者いたら、pH試験紙で確かめてみてほしい。 https://t.co/BJUoczWRHi — 化学系薬剤師Takashi@博士・理系とーく (@TKurohara) February 7, 2019 ふむふむ、下痢がアルカリで肛門粘膜が溶けるということですね!確かに理にかなっているし納得できます。ということで情報を整理してみました。   小腸のpHは7~8以上と塩基性 ヒトの胃液は酸性で、pH=1ぐらいということは知っている方が多いと思います。人体の構成を考えると、胃で酸性になった食べ物は腸から糞便になるまでに中和される必要があります。実は、小腸で分泌させる「腸液」が塩基性であり、これが胃酸を中和しています。   腸内のpH変動(十二指腸→空腸→回腸→大腸) Evansらの報告「Measurement of gastrointestinal pH profiles in normal ambulant human subjects.」では回腸付近でpHが8付近まで高くなり、大腸にかけてpH=7に戻っていくという研究結果を得ています。 しかしこの研究は腸のどの部位でpHが変化しているかがざっくりとしかわかっていませんでした。 そこで、横浜市立大の飯田先生らがpHカプセルを使って正確な腸の位置とpHの変化を決定する研究に挑戦したようです。「A new non-invasive modality for recording sequential images and the pH of the small bowel.」という文献で結果が報告されていると思いますが、ライセンスがなく読めませんでした。結果としてpHは7.2~8.1が観測されたようです。 ここからは私の勘ですが、回腸付近で便のpHは8付近まで上昇するみたいですね。   下痢便のpHを測定している文献は見つけられなかったが、下痢の時にはアシドーシスになる 下痢便のpHを測定している研究は「これ」というものは見つけられませんでしたが、pH補正のガイドラインとかでも時々書かれているように下痢の時にはアシドーシスが起きます。ただし、積極的に中和剤を投薬するほど重症化はしないみたいですね。     現時点ではこれぐらいにさせていただきます。そのうちリライトして、記事をきれいにします。 下痢の種類 最後に、下痢の種類をまとめておきます。 浸透圧性下痢 塩類下剤(硫酸塩,燐酸塩),マグネシウム 侵出性下痢 腸粘膜障害のため粘膜の浮腫,充血,潰瘍形成など 分泌性下痢   腸管運動異常による下痢 甲状腺機能亢進症や過敏性大腸症候群,迷走神経切断術,カルチノイド症候群,回盲部切除術,糖尿病神経症など  

(日本語) 乳び胸に対してオクトレオチドを処方する理由

Sorry, this entry is only available in Japanese. 質問を受けましたので、簡潔にまとめます。 今回の質問は、 「乳び胸の治療でサンドスタチン(一般名:オクトレオチド)を使用するんだけど、理由は?あと副作用で消化器症状が出るのはなぜ?」 というものです。 お恥ずかしながら、「乳び胸」という言葉は初めてでした。ということで、疾患の説明から入っていきます。   乳び胸(乳糜胸)とは? リンパ管の一種である「胸管」からリンパ液が漏出し、胸腔に溜まる症状のことを指すようです。 腹腔に溜まる例もある様ですね(乳び腹水に対してオクトレオチド投与が有効であった子宮頸癌)。 腸管から吸収された脂肪の おおよそ70% は腸間膜リンパ管→乳び槽→胸管へと移行していきます。乳び槽のリンパ液の 50~ 90%は小腸及び肝臓由来とされているようです。   オクトレオチドの作用機序と方意 作用機序 ヒトの脳下垂体からは、様々なペプチドホルモン(向腺性ホルモン)が分泌されます。 脳下垂体の上部に視床下部がありますが、視床下部はソマトスタチン(SS)を分泌し、脳下垂体からのホルモン分泌を抑制します。 (そのほかに膵臓ランゲルハンス島細胞や消化管からも分泌) オクトレオチドは、ソマトスタチンの誘導体であり、ソマトスタチン同様に脳下垂体からのホルモン分泌を抑制します。 そのため、脳下垂体から分泌されている成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制する目的で使用されます。 このオクトレオチドは、ソマトスタチンレセプター(SSTR)に結合して機能を発揮します。SSTRには1~5のサブタイプが存在しており、親和性はSSTR2>SSTR5>SSTR3の順序です。 それぞれの分布は SSTR2:脳, 腎臓 SSTR5:脳,心臓,副腎,胎盤,下垂体,小腸,骨格筋 SSTR3:脳,膵臓 上記のようになっています。 消化管のSSTRに結合した場合には、ガストリン、セクレチン、コレシストキニンの分泌を抑制し、消化管の運動量を低下させます。 当然消化器に対して副作用も出てしまいます。   処方意図 「消化管の機能を抑えるため」 ズバリこれですね。上述した通り、乳び胸はリンパ液の漏出ですので、消化管からのリンパ液量を減少させることで状態を改善させることができます。 消化管の機能が抑制されれば、消化管の血流量も減少するので、リンパ液の両も減少することが期待できるかとおもいます。   実際にソマトスタチン系の薬剤は、乳び漏出の抑制に使用されており、1990年の初めの報告以降、種々のケースで使用されています。 Reduction of lymphorrhagia from ruptured thoracic duct by somatostatin 左腎尿管全摘術後に生じた乳糜漏の 1 例 乳び腹水に対してオクトレオチド投与が有効であった子宮頸癌 現時点ではここまでの解説とさせていただきます。 また時間があるときに、より良く書き直していきたいと思います。 読んでいただきありがとうございました。

(日本語) 新生児・授乳婦・妊婦に使用するリン酸水素カルシウムがミルクに溶けない理由

Sorry, this entry is only available in Japanese. 「リン酸水素カルシウムをよく新生児に与えるんだけど、ミルクに溶けなくて…」 今回、間接的にこのような質問を受けました! では、この問題の化学とその対策を考察していきます!! 臨床現場におけるリン酸水素カルシウムとは? まずは、リン酸水素カルシウムが臨床的にどのようなものかを見ていきましょう!! 臨床上の使用目的 下記代謝性骨疾患におけるカルシウム補給 くる病、骨粗鬆症、骨軟化症 妊娠・授乳時におけるカルシウム補給 添付文書より抜粋 リン酸水素カルシウムは、基本的にカルシウムの補給用として利用される製剤です。 今回の質問では、新生児のカルシウム不足に対して用いる時に、ミルクに溶かすことができないということですね! リン酸塩を用いる利点 とくに早産児などでは、骨のカルシウム量とリンの貯蔵量が低下していることが多く、その補給としてリン酸カルシウムが用いられているようです。 詳細が気になる人は 「早産児に対する母乳のカルシウムおよびリン補充」 この文献とか読んでみてください。 リン酸水素カルシウムは、骨の成分そのままであり、これを飲ませることでカルシウムとリン酸の両方を補充するというものですね! ですが、骨になる成分です、そもそも水に溶けやすいものじゃないですね。 骨が水に溶けやすかったら、みんな骨粗鬆症です。 リン酸とカルシウムを分けて投与して、体内で塩にしてしまうという、補充戦略はNGなんでしょうか?? 注射だと血管に塩が析出するからNGですが、内服なら… ※効果を検討している文献が無いか調べて、見つかれば追記します!! リン酸水素カルシウムの物性 本品は白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。 本品は水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほ とんど溶けない。 本品は希塩酸又は希硝酸に溶ける。 添付文書より抜粋 添付文書にも書かれていますが、水に全然溶けません。 塩の化学がわかっていれば簡単なのですが、塩酸のような酸性の溶液には溶かすことができるんです。 酸に溶けるメカニズム ここで物性を復習しましょう! 過去記事の「酸性塩・塩基性塩の性質」や「難溶性塩が溶けにくい理由」を参照ください! リン酸水素カルシウムは、リン酸(中程度の酸)と、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の塩です。つまり、リン酸水素カルシウムが水に溶けた場合、リン酸塩の一部がプロトン(H+)を受け取ることで、水のpHはアルカリに偏ります。つまりリン酸水素カルシウムが水に溶けたとすると、[OH-]が作られ易いのですね!! 実際には、リン酸水素カルシウムほとんど溶けないと言いつつ僅かに溶けてます。 だったら簡単、リン酸水素カルシウムを溶かすことで発生する[OH-]を[H+]で打消してしまえばOKです。平衡が偏り、どんどん溶解がすすみます。 つまり、酸性の溶液にならば、リン酸水素カルシウムは溶けます。 人がリン酸水素カルシウムを飲んだ時には、胃酸で溶けてるんですね。この薬。 (腸で析出しないんでしょうか??) 本題の乳児への投与ですが…、ミルクボトルに詰まるなら… 塩酸に溶かして飲ませればいいんですね!! いやいやいや…、無理無理。塩酸を飲ませることなんてNGだし、そもそも病院にないわ! ということになります。このケースの場合は、違うカルシウム剤を用いるのがいいですね!! では最後に替わりに使えそうな製剤を考えてみます。 リン酸水素カルシウムの替わりに… リン酸塩が溶けにくいので、 アスパラギン酸カルシウム(アスパラ-CA) であれば、溶けやすいと思います。 乳酸カルシウム も行けると思いますが、添付文書には「徐々に溶ける」となっているので、少し溶かす努力が必要そうですね。 これらが替わりの薬として挙がってくるでしょう。 ですが、ミルクはカルシウム含有量が高いと思うので、共通イオン効果で水よりは若干溶けにくいかもしれません。 ただリン酸も別の形で補給する必要があると思います。 追加情報や図が完成したら追記します。 読んでいただきありがとうございました。

(日本語) 【注射剤の変化】遮光が必要な注射剤一覧 光による分解の機構

Sorry, this entry is only available in Japanese. 注射剤って時々遮光しなければならないものや、あらかじめ遮光バッグに入っているものがあります。 国試でも出題されるので、覚えていたりはするのですが、ただの暗記って面白くありません。 そこで、注射剤の中の分解される成分について知見・考察をまとめてみました。 投与時に遮光が必要な注射剤輸液一覧   ビタミン剤 ビタミン類は光や熱で分解されやすいものが多いので注意が必要です。 ビタミン類の光分解だけで記事が書けそうなので、そのうち書きます。文献だけ羅列しておきます。 ビタミンを含有する製剤には、エルネオパ、オーツカMV、ケイツーN、ビーフリードなどがあります。 お役立ちメモ   【脂溶性】ビタミン E, Kの光分解(A,D?) ビタミンE:トコフェロールの酸化生成物と代謝産物 ビタミンK:安定性実験、ビタミンK1の光分解と安定化(第1報) 【水溶性】ビタミンB2、B6、B12、Cの光分解 ビタミンB2の光分解:Photo, thermal and chemical degradation of riboflavin ビタミンB_6の光および熱反応生成物の解析 ビタミンB12:Photolysis of cyanocobalamin in aqueous solution ビタミンC:L-アスコルビン酸の光分解に関する研究, 分解機構は見つかりませんでした   イリノテカン カンプト点滴静注100mg 文献を調べてみたところイリノテカンの光分解産物が報告されていましたので、分解の機構を考えてみました。あまり自身はありません。ご指摘がありましたら教えていただけると幸いです。「へぇー」ぐらいでご覧ください。 ※機構について確証はございませんので、重要な場で使う場合には自己責任でお願いします。   シスプラチン シスプラチン注 配位子の塩素が水酸基と置換するということです。 Decomposition of cisplatin in aqueous solutions containing chlorides by ultrasonic energy and light この文献に載ってそうですが、私は入手できないので、他の文献を見つけてから書き直します。   ダカルバジン ダカルバジン注用 血管痛を引き起こす代表選手。詳細は過去記事ダカルバジンの光分解機構を参照ください。 Causative agent of vascular pain among photodegradation products of dacarbazine, J Pharm Pharmacol, 2002, 54, 1117-1122. Dacarbazineの光分解によって生成する発痛物質の探索, 臨床薬理, 2001, 32, 15-22.)   ミカファンギン ファンガード点滴用 詳細は過去記事ミカファンギンの光分解機構と分解生成物の考察をご覧ください   ゲムツズマブオゾガマイシン マイロターグ点滴静注用5㎎ IFを読むと「遊離カリケアマイシン誘導体の増加が認められた」という記載があります。 ゲムツズマブオゾガマイシンは、カリケアマイシンとモノクローナル抗体がくっついたものです。リンカー部分には、ヒドラゾンやジスルフィド結合が含まれているので、光によって直接的または、活性酸素を介してこれらが切れた可能性が考えられるかと思います。   タラポルフィンナトリウム 注射用レザフィリン100㎎ ポルフィリンから成る医薬品です。まさに光の影響を受けやすそうですが… 固体では安定だか、水溶液+光条件では24時間で90%以上が分解するようです。 文献に関してはまだ見つけることができてないので、今後情報を追加してきます。     以上、現時点では文献リンクなどの情報だけをまとめさせていただきました。 細かい図などの解説は、今後書いていきたいと思います。  

MEYLON:Why it can not mix with saline?

The reason why the MEYLON con not mix with saline? The permissible sodium period for human is 3~4mEq/kg/Day. A 50㎏ person whose capacity of sodium in a day is 150 mEq/day. Saline has 154mEq/1000ml of sodium. 8.4% of MEYLON (20mL) has 1000mEq/1000ml When a vial of MEYLON (20mL) soluved to saline 250 mL, the total sodium is 20+38.5=58.5 mEq. 58.5 is seems much lower than 150 mEq/day, however, considering the sodium from meals, the value is  corresponds to one serving. メイロン注の使用目的 メイロン注の使用目的は、メニエール症候群のような、内耳系疾患の改善やアシドーシスの是正に使用されます。 メイロン注の成分は炭酸水素ナトリウムであり、配合によっては炭酸ガスが発生したりと、いろいろな不都合が生じてしまう薬剤です。 適応については別記事でそのうち紹介します。   メイロンの使用方法(希釈、投与など) メイロンの適切な希釈溶液 いい文献があったので紹介します。 輸液に炭酸水素ナトリウム注射液(メイロン®静注)を混合する時の留意点 大塚製薬さんが出している記事です。 その中からデータを引用します。以下のデータは、メイロンと各輸液類を混合した場合の最終pHを示したものです。最終pHが小さいものほど、炭酸が遊離して、体積変化による液面の低下が引き起こされます。 配合変化としては、生食、糖液など大抵のものは大丈夫な様です。 一方、KN3号やフィジオに溶解すると、以下の写真のようになってしまうみたいです。 ガスが発生することで内圧が上がり上の写真のような変化が生じてしまいます。 液面が下がる=ガスが発生しているということです。 輸液に炭酸水素ナトリウム注射液(メイロン®静注)を混合する時の留意点より引用 図3のデータを見てみると、生食とメイロンの混合で、配合変化(ガスの発生)が生じるということはほとんどなさそうです。 メイロン(炭酸水素ナトリウム)は、pH7.5程度までであれば、ほとんどガスは遊離しないようです。 私の仮説は見事に外れてしまいました。生食とメイロンを混ぜても、メイロンがもともと塩基性製剤なので、炭酸水素イオンのpKaを大きく下回るpHに至ることがないためでしょう。 詳しくは、記事の下を読んでください。 生食が好ましくない理由は?? ではなぜ生食はダメなのでしょうか??? いろいろ調べたところ、NaのmEqに注意する必要がありそうです。 Naのmeqを抑えるため? 人に必要な一日のNa量は、3~4mEq/kg/Day程度です。ざっくり50㎏の人で150mEq/dayです。 メイロンは 7%製剤が833mEq/1000ml 8.4%製剤が、1000mEq/1000ml 生食は 154mEq/1000ml 8.4%メイロン 20 mL 1本を生食250 mLに溶かした場合、20+38.5=58.5 mEqとなります。 150までだから大丈夫じゃん!と思うかもしれませんが、食事から摂る分もあります。 なので、HPの観点から、配合変化的には問題ないようですが、ナトリウム量からは推奨されないようですね。   目的によっては希釈をして投与しない方がいいのでは?? という意見もみつかりました。これは、「血液のpH是正のために投与するのに、薄めて(pHを下げて)どうする!」ということです。 その観点から言えば、無駄な希釈は回避すべきだと思いますね。   では、メイロンの配合変化を科学的に分析してみましょう!! Science Point!! pHは7.5までにセーブ 中性の輸液であれば、炭酸ガスの発生は問題なし! 図3のグラフを見ていただくと、pH7.5から炭酸の遊離が始まるようですね。 それもそうです。炭酸(H2CO3)が炭酸イオン(HCO3-)になるpKaは約6.4。 メイロン注のpHが6.4になった時、H2CO3とHCO3-は1:1になります。 H2CO3は、二酸化炭素が水に溶けてできたものです。 CO2は比較的水に溶けやすい気体ですが、ほとんどが水に溶け込まずガスのまま存在しています。 つまり、メイロン注のpHが6.4になった時、約半分のCO2が発生してしまいます。 pHが7.5であれば、H2CO3とHCO3-は1:10程度であるため、CO2の発生量はほとんどないと考えられます。 メイロンを混ぜるときには、相手側のpHをしっかり確認して下さいね。 最後まで読んでいただきありがと

風邪の治し方

風邪、医学用語では「感冒」と言われますが… 多くの方が罹患したことがあると思います。 風邪の治し方は各家庭で方法が違ったりしますよね? 風邪とは何か?どのように治すべきなのか?薬は何を使うのか? 解説してみたいと思います。 まずは要点をまとめてみました。 Check Point! ・風呂に入る!(ただし、湯冷めに注意を!) ・解熱鎮痛薬は安易に使うな!(症状に合わせて使用すること) ・栄養補給と睡眠が一番大切! ・うがい薬を間違えない!(茶色いうがい薬に注意!) そもそも風邪とは何か?なぜ熱が出るのか? 風邪はウイルス(ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、など)が生体細胞に感染することで罹患します。このときダメージを受けた細胞やウイルスは、炎症性サイトカイン(IL1、IL6、TNFα)を放出します。これが脳に到達すると発熱して体温を上げます。この体温上昇により、体内の免疫細胞の活性が上がりウイルスをやっつけてくれます。 (ちなみに、上気道感染ウイルスにはエンベロープ(+)が多いですよね。) つまり、「熱」はウイルスを排除するために必要なのです。 では、解熱薬でこの熱を下げてよいのでしょうか? 答えはNo。熱を下げると確かに体は楽になりますが、ウイルスを除去することが困難になります。そこでおすすめなのが、体温を下げない「漢方薬」ですね。「葛根湯、桂枝湯、小青竜湯」などが用いられますが、症状によって用途が違います。薬局で薬剤師に相談しましょう。 しかし、熱を下げないと危険な場合があります。仕事を休めない人であれば、意識がもうろうとしたり転倒につながります。小児では、脳の障害につながることもあります。39℃に近い発熱には積極的に解熱薬を使うべきといえます。ただし、特別に動く必要がなく安静にすることが可能であれば、解熱せずに栄養を取って休むのがいいのです。自身の免疫力で治すのです。 「風邪をひいたら風呂に入るな」ということが昔はありましたが、これは昔の家は風呂がなく銭湯に行く必要があったり、暖房設備が整っていなかったため、湯冷めによりが冷えるためです。現代の生活環境で湯冷めしにくいので、お風呂に入り保温と上気道の加湿を行うべきといえます。 次に、のどの消毒と咳止めです。これらの治療方法も有効なのですが、間違いが多いです。 ・細菌感染がある場合には、咳を止めないほうがいい 「風邪の薬はない」といいますが、これは風邪の原因となるウイルスをやっつける薬がないということです。 人間は、ウイルスと菌を別々に攻撃するのが苦手です(細胞性免疫と体液性免疫)。 風邪(ウイルス感染)が続くと、細菌感染も進んできます。菌に感染すると黄色い痰(膿)が出るようになります。 このような状態で咳止めを使うと、菌の排泄が低下し、治りが遅くなります。ただし咳が多かったり、夜に出て眠れないなどの消耗が起こるのであれば、咳は止めるべきでしょう。 ・ヨウ素系の消毒は炎症が正常細胞にもダメージを与える 茶色いうがい薬ですが、ヨウ素(I2)の細胞毒性により、雑菌を除去しますが、この際正常な細胞にもダメージを与えてしまいます。特に風邪をひいて、炎症で弱ってる咽頭にこの消毒は逆効果となります。おすすめの消毒方法として、アズノール、グルコン酸クロルヘキシジン、セチルピリジニウムを成分に含んだうがい薬やトローチが好まれます。 ちなみに、多くの菌やインフルエンザウイルスを除去するカテキンを利用したお茶うがいもおすすめです。  

(日本語) 酪酸産生菌が、IBD(炎症性腸疾患)、CD(クローン病)、UD(潰瘍性大腸炎)に有効!?鍵は短鎖脂肪酸(SCFA)。

 メインタイトル 導入文書いてみようかなと思います。 Topics & Check Point !! 1. サブタイトル 2. サブタイトル 3. サブタイトル 4. サブタイトル 5. サブタイトル 6. サブタイトル 1:詳細サブタイトル   2:詳細サブタイトル     3:サブタイトル   4:サブタイトル 5:サブタイトル 6:サブタイトル     化学的に分析してみましょう。 Science Point!! S1:サブタイトル S2:サブタイトル S3:サブタイトル ・ S1:サブタイトル S2:サブタイトル S3:サブタイトル