• 日本語
  • English

(日本語) アンギオテンシンⅡAT1阻害薬(ARB)の比較、持参薬の代替薬提案方法

Saturday July 21st, 2018

Sorry, this entry is only available in Japanese.

降圧薬の正しい選び方
ARBの正しい選び方 ←この記事ではこれを解説します
・ACEIの正しい選び方
CCBの正しい選び方
β遮断薬の正しい選び方

Check Point!!
・心血管イベント予防
テルミサルタン(ミカルディス) > ロサルタン(ニューロタン)
・心不全
バルサルタン(ディオバン)、カンデサルタン(ブロプレス)、ロサルタン(ニューロタン)
・糖尿病
テルミサルタン、バルサルタン > ロサルタン、イルベサルタン、カンデサルタン   ×オルメサルタン
・メタボリックシンドローム
テルミサルタン > バルサルタン

 

ARB薬剤の比較研究について

最近、持参薬鑑別のやり方と代替薬の提案について相談されました。
精神薬とかであれば、CP換算表を使用すれば結構やりやすいのですが、血圧についてはなかなか情報がありません。

アムロジピンのようなCCBであれば、結構どこでも採用されており、腎負荷などを考慮したりと、代替薬は選びやすいと思います。

気になる人は「CCBの正しい選び方」をご一読ください)

 

今回参考にした文献は以下の2報です。
一つ目の文献はかなりいいので、ぜひ印刷して手元に保持しておくことをお勧めします。

1つ目

The Different Therapeutic Choices with ARBs. Which One to Give? When? Why?
Am J Cardiovasc Drugs. 2016; 16: 255–266.

2つ目

Antihypertensive activity of angiotensin II AT1 receptor antagonists: a systematic review of studies with 24 h ambulatory blood pressure monitoring
J. Hypertension 2007, 25, 1327-1336.

これらの文献内容を、下にまとめます。

 

ARBの疾患別選択方法

各ARBは、単純な降圧作用を得るためには特に大きな差異はなさそうです(記事の後半に記載)。

しかし、合併症に応じて薬剤を適せつに選択する必要があります。

Table 2に文献のサマリーを紹介します。

例えば、心血管イベントの予防(cardiovascular prevent)には、ミカルディスがお勧めされています。糖尿病を有している場合には、テルミサルタンやバルサルタン、糖尿病性ニューロパチーにはロサルタン、イルベサルタンが適しているようですが、糖尿病関連の血圧にはオルメサルタンは回避すべきとされています。

The Different Therapeutic Choices with ARBs. Which One to Give? When? Why?より引用

 

歩行血圧に対する、各ARBの薬効比較

ここからは、合併症は抜きに、単純な降圧効果の比較実験です。Fig. 2,3を見てください。
Fig 2は、平均的な血圧降下の評価で、Fig 3は服用後24時間経過後の降圧効果です。ほとんどのARBが等しいぐらいの活性を示しています。
ちなみに、Systoic BPは、収縮期血圧。Diastoic BPは拡張期血圧です。

Antihypertensive activity of angiotensin II AT1 receptor antagonists: a systematic review of studies with 24 h ambulatory blood pressure monitoringより引用

 

Antihypertensive activity of angiotensin II AT1 receptor antagonists: a systematic review of studies with 24 h ambulatory blood pressure monitoringより引用

以上のデータを見る感じ、単純な血圧に対する降圧効果に、各ARBs間で大きな差はないようです。

つまり、合併症を抜きにすれば、各ARBの変更はあまり意識する必要はないようですね。

ですが、

「ARBを他剤へと変更するときに、投与量はどうすればいいの?」

という疑問が残ります。

要するに、「各薬剤の力価は、どれとどれが等しいのか?」ということです。

 

この文献では、Low、High doseにデータを区切って薬剤間の相関をとっています。

各薬剤の力価の相関は、Low群に当てはまるか、Highにあてはまるかで変更すればよいかと思います。

現在服用中の薬剤がLow群であれば、変更薬剤はLow群の投与量ということです。

外国のデータなので、投与量は多めです。

薬剤名 Low/High (㎎/day)
ニューロタン 50/100
ディオバン 80/160
イルベタン 150/300
ブロプレス 8/16
ミカルディス 40/80
オルメテック 20/40

ARBを適切に使用するには、基礎疾患を把握して薬剤を選択していく必要がありますね。
しっかりと文献を読めてない可能性があるので、オリジナルの文献を必ず確認してくださいね。

↓オリジナル文献

The Different Therapeutic Choices with ARBs. Which One to Give? When? Why?
Am J Cardiovasc Drugs. 2016; 16: 255–266.

 

関連文献も紹介しておきます
ARBの有用性について

The Comparative Efficacy and Safety of the Angiotensin Receptor Blockers in the Management of Hypertension and Other Cardiovascular Diseases
Drug Saf. 2015 Jan; 38(1): 33–54.