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腸内細菌の科学

2018年06月06日

いきなりですが、ペットを飼ってますか?
犬、猫、ハムスター、金魚、鯉…いろんなペットいますよね。
でも、もっと身近なところに、すべての人類がペットを買っています。
大きさは、まとめると野球ボール程ともいわれ、重さ約1キロ、数でいえば100兆。

そう!タイトルにもある通り、腸内細菌です。
皆さん、腸内細菌を意識してますか?一生寄り添うパートナーですよ?
ちゃんと世話してますか?

そんな一生のパートナーの腸内細菌が肥満に関与するということが注目されています。
そこで、腸内細菌について調べてみました。まずは要点を。

Point!!!

・腸内細菌はおびただしい数あるが、主には4種族
・肥満の鍵となるのは腸内エンドトキシン
・腸内細菌バランスが崩れると肥満になりやすい
・ダイエットに有効で、今後肥満の治療戦略となるか?
・バクテロイデテス属はやせる菌?ファーミキューティス属は太る菌?(マウス実験)

腸内細菌の種類
腸内にはおびただしい数と種類の菌が生存しています。しかし、そのほとんどは、「ファーミキューティス門」「バクテロイデテス門」「アクチノバクテリア門」「プロバクテリア門」の4種になります。
これらの菌の割合は、人によって異なり、親の菌や生活環境、食生活環境で決まります。
また、一度構築された腸内細菌バランスを変化させることは難しいという報告もされています。(Nature, 2014, 505, 559-563.)

腸内細菌が及ぼす脂質代謝への影響
腸内細菌による肥満には、エンドトキシンであるLPS(lipopolysaccharide)が関与しているとされています。
高脂肪食を摂取したとき、腸内細菌のエンドトキシンが遊離され、血中に入ります。これが脂肪細胞へと到着し、炎症を惹起しインスリン抵抗性が生じます。通常、腸管のムチン粘液層をAkkermansia muciniphiaという菌が形成していますが、これが少なかったりすると、ムチン層が弱くなり、エンドトキシンの吸収・肥満が引き起こされるということもあるようです。

また一部の菌は、酪酸やプロピオン酸を食物より生成し、これが腸管運動を抑制し、栄養分を過剰に吸収させるという報告もあります。

やせる菌と太る菌
肥満の人やマウスの便検査で、バクテロイデテス属が減少しており、ファーミキューティス属が増加しているという研究結果があります。
バクテロイデテス門はやせ菌?ファーミキューティス門はデブ菌?(Natur, 2006, 444, 1022-1023.)

ファーミキューティス属は、食べ物のカロリーを人体が吸収するのを高めてしまいます。一方、バクテロイデテス属は食べ物のカロリーを奪うようです。
バクテロイデテス属を増やそう!!
増やし方はいたって普通、難消化性デキストリン、乳酸菌です。一般的な「善玉菌を増やしましょう」とやり方は同じです。

肥満になる詳細の機構は諸説あり、どれが適切か明らかではないようです。
腸内のバランス崩れ肥満になるということは明らかな様です。今後の研究の進歩を待ちたいですね。
過去記事でも紹介した、お茶も腸内細菌に有効かもしれませんね。

(編集中)

腸内細菌をうまくコントロールでできれば、今後新たなダイエット法や低栄養状態の改善が期待できそうです。
途中にも書いたと通り、高脂肪食を食べると腸内細菌に悪影響が出てエンドトキシンが出たりするようなので、菌のみに頼らず食事、運動をしっかりと行いましょう。

 

腸内細菌叢と肥満症[日医会誌2015, 104, 703-709.]