有機化学系の研究室に院生として所属していますと、TAで化学実習のレポートを採点する機会が多々あります。
多くの学生さんのレポートで、
「力の入れどころはそこじゃない…」
「論点や評価箇所は、そこじゃない!!」
と感じることがあります。
採点する側を経験した私が、
最小の努力で、再提出を受けないレポートの書き方
つまり、100点とはいきませんが、60~70点を目指すことができるレポートの書き方を解説いたします。
レポートとは
大学の実習では、やけにレポートを書かされますね。
レポートとは、実験を行った内容と結果を他者に正確に伝える書類です。
つまり、実験操作が伝わり、結果の解釈が、読み手に伝わるように書けているか
というところが評点になります。
大抵のレポートは、
目的→操作→結果→考察
という構成になります。
だってそうですよね?
何のために実験し、(目的)
どうやって実験するのか、(実験操作)
どんな結果が得られたのか、(結果:測定データなど)
その結果から得られた知見は何か? (考察:望む結果が得られたのか?今後の課題は?改善点は?)
と、必然的に目的から結果・考察の流れになるのです。
これは、どの分野にも共通しています。
なので、レポートは、
目的と結果・考察が対応していなければなりません。
この4項目の書き方を紹介します。
実験の目的
学生実習では、これは与えられていますね。
この目的は、結果や考察と対応していることが必須です。
たとえば、
目的が「~~~を作る」
であれば、
結果では「XXXの測定値が得られた」
考察は「XXXの値が得られたことから、~~~が作れたと考えることができる。」
「過去の例では、同様の測定結果が得られており、同じ生成物が得られたと考えた。」
という感じになります。
すっきりしていて、伝わりやすいですよね?
実験に失敗した場合では、
結果では「XXXの測定値が得られた」
考察は「得られたXXXの値は、過去の例とは異なっている。これは、実験操作の~~~が原因と考える。しかし、その他の測定結果より、純度は低いが目的物質が得られたと考えた。」
という感じに書くと、体裁がしっかりしているかと思います。
実験操作
実は意外と採点者は読んでなかったりします。
ただし、測った試薬の重さなどは、実測値を書くこと
また、~~~が得れた根拠を確かめるために、
融点を測定する。
NMRを測定する。
などの情報があらかじめ書いてあるといいですね。
さらに、目的のデータがどのような値なのかを、引用できていれば素晴らしいです。
結果
実測値を書くこと。
重さ
色、形状
融点~~~℃
考察
上の「目的」項を参照してください。
「今回の実験で合成した~~~状の生成物は、文献値~~~と同様の測定値を示したことからXXXと同定した」
などの文章が書けるとかっこいいですね。
ほんとにこのポイントを抑えるだけで、満点とは行きませんが、高評価をもらうことができます。