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(日本語) カフェインの作用機序・吸収・薬物動態

Sorry, this entry is only available in Japanese. [記事作成中] カフェインは薬学において非常に重要な成分です。医薬品として利用されることもさながら、コーヒーや緑茶など生活の中にもあふれている化学物質です。カフェインについては、非常に多くの記事が公開されていますが、それぞれで言いたいことが述べられており、学術的な文献が引用されていないものが非常に多いです。そこで、そのカフェインについて文献を検索し薬理作用や体内動態などをまとめました。   カフェインの作用機序 カフェインの作用機序といえば、知られているのが血管への影響です。薬学を学んだ年代にもよるかと思いますが、私はホスホジエステラーゼ(PDE)の阻害として学習していました。しかし最近はいろいろなことが分かっているようです。   非選択的アデノシン受容体遮断 日常生活で問題になるのはこの作用です。   非選択的ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害 [高用量]       カフェインの吸収 お茶とコーヒーでは、カフェインの吸収量が異なります。     引用文献 日常生活の中におけるカフェイン摂取―作用機序と安全性評価― 栗原 久 先生 カフェインが関与する相互作用(日経DI) 嶋本 豊、杉山 正康(杉山薬局[山口県下関市])  

(日本語) アラベル(アミノレブリン酸)の作用機序と併用禁忌(光線過敏症誘発薬)の科学

Sorry, this entry is only available in Japanese. (本記事には執筆途中の部分が多々あります、ご了承ください) 病院薬剤師の方と話す機会があり、次の質問を受けたので解説記事を書いてみます。 質問は「腫瘍を可視化するアラベルが光線過敏症を起こす薬剤と併用できないのは科学的にどのような理由なのでしょう?」 でした。私勉強不足でこの薬剤について知識がなかったので、この度勉強してみました。せっかくなので情報をまとめたので、どなたかの参考になればと思います。   アラベルとは まず、アラベルに含まれる有効成分の検索をしましたところ、成分は「アミノレブリン酸」(略:ALA)でした。 構造は以下の通りです。 ん?? 「どうやってこんなものが作用するの??UVも吸収しない(正確には日常的に触れるUVAとUVB)だろうに光線過敏症??」 というのが初めて見た瞬間の感想でした。調べていくといろいろとわかることがありましたので以下にまとめました。   アラベルの適応 悪性神経膠腫の腫瘍摘出術中における腫瘍組織の可視化 添付文書の記載そのままですが、手術で腫瘍を可視化するために使用される薬剤となります。   アラベルの作用機序 ALAを投与することで生体内でプロトポルフィリンIX(PPIX)が生成します。PPIXは400-410nmの青色光線による励起により赤色蛍光を発するので腫瘍が可視化できます。 アミノレブリン酸は腫瘍細胞に取り込まれ、プロトポルフィリンへと代謝されます。腫瘍細胞ではPPIXの生成速度が速く、PPIXからヘムの合成が遅いのでPPIXが腫瘍細胞に蓄積します。 というのが添付文書の内容です。   アラベルの科学 添付文書からは上記のような情報が得られましたが、科学的な情報がほとんど含まれていませんでした。そこで文献サーチに入りました。下記の文献がよくまとまっていましたね。 The Porphobilinogen Conundrum in Prebiotic Routes to Tetrapyrrole Macrocycles 上記の文献でも解説されていますが、下の図に示したように、ALAは生体内の酵素の働きにより二量化してピロール化合物であるピロールプロフィブリノーゲン(PBG)を形成します。さらにPBGが縮合することで、ポルフィリン化合物のウロポルフィリノーゲンが生成します。これがさらに代謝されることで、プロトポルフィリンIX(PPIX)が生成します。   有機化学に精通している人は、縮合方法にKnorrタイプとFischer-Finkタイプの2パターンあることがわかると思います。詳しく知りたい方は以下の文献を参照してもらえればと思います。(時間があるときに解説します) Competing Knorr and Fischer–Fink pathways to pyrroles in neutral aqueous solution   アラベルが光線過敏症を起こしうる薬剤と併用禁忌である理由 冒頭の質問になりますが、一見、光科学的知見からは光の影響を受けなそうに見えるアミノレブリン酸ですが、ポルフィリンへと代謝されて光との反応性を獲得するという機構でした。これによりポルフィリンが光線過敏症を起こす可能性があるために、その他の光線過敏症を起こしうる薬剤と併用禁忌となったのでしょう。 光線過敏症を起こす薬剤の光感受性を増強するなどのメカニズムがあれば科学的に興味深かったのですが、そのような情報は見つけられませんでした。   ポルフィリン症 調べた中で見つかったのですが、ポルフィリン症と言ってポルフィリンが体に蓄積される疾患があり、この疾患では光線過敏症症状が良く発生するみたいですね。つまり、ポルフィリン環はそれ自身に光反応性があり、皮膚障害を引き起こすということですね。   光線過敏症を起こしうる薬剤 光線過敏症を起こす薬剤のリストもありましたのでまとめておきます。赤字はポルフィリン類似物質です。 向精神薬 クロルプロマジン,プロメタジン,ジアゼパム,カルバマゼピン,イミプラミン 筋弛緩薬 アフロクァロン 抗ヒスタミン薬 ジフェンヒドラミン,メキタジン 抗菌薬 ナリジクス酸,エノサキシン,オフロキサシン,シプロフロキサシン,ロメフロキサシン,スパルフロキサシン,フレロキサシン,トスフロキサシン,テトラサイクリン,ドキシサイクリン 抗真菌薬 グルセオフルビン,フルシトシン,イトラコナゾール 消炎鎮痛薬 ケトプロフェン,チアプロフェン酸,スプロフェン,ピロキシカム,アンピロキシカム,アクタリット,ジクロフェナク,ナプロキセン 降圧薬 ヒドロクロロチアジド,トリクロルメチアジド,メチクラン,クロフェナミド,トリパミド,メトラゾン,フロセミド,塩酸チリソロール,ピンドロール,塩酸ジルチアゼム,塩酸ニカルジピン,ニフェジピン,カプトプリル,リシノプリル 抗糖尿病薬 トルブタミド,クロルプロパミド,グリベンクラミド,カルブタミド,グリミジンナトリウム 痛風治療薬 ベンズブロマロン 抗腫瘍薬 5-FU,テガフール,ダカルバジン,フルタミド 高脂血症治療薬 シンバスタチン 前立腺肥大治療薬 タムスロシン 光化学療法薬 8-メトキシソラレン,トリオキシソラレン,ヘマトポルフィリン誘導体 ビタミン薬 エトレチナート,ピリドキシン,ビタミン B12 抗リウマチ薬 金チオリンゴ酸ナトリウム,メトトレキサート 新しい皮膚科学 第三版 13章 物理化学的皮膚障害・光線過敏症 より引用   半減期は2.27時間だが禁忌薬剤とは2週間を空ける ALAはアミノ酸なので、半減期は2.27時間と短いです。 PPIXも4.91時間とそこまで長くない半減期となっています。 とすると2週間という併用回避はかなり長い印象を受けます。血漿からの消失が早いだけであり、皮膚に蓄積してしまうのでしょうか? わかり次第追記します。情報をお持ちでしたらコメントいただけると助かります。   CYPは大丈夫? ポルフィリンと聞いて思い出すのがCYP! ポルフィリンが増えると鉄に配位したりといろいろ影響しそうですが大丈夫なのでしょうか? これについてもまだ情報をあつめれていないので、見つかり次第更新します。     穴だらけの記事で申し訳ございません。 追記をお待ちください。読んでいただきありがとうございました。

(日本語) 【有機化学】共役二重結合とは?共役結合の種類・原理を解説

Sorry, this entry is only available in Japanese. 共役二重結合   その他の共役結合 超共役 超共役は、二重結合と単結合間で見られる共役結合です。専用の記事もあります→超共役とは?   スピロ共役(spiroconjugation) 一つ特殊な超共役を紹介しておきます。スピロ環でも超共役はあります。一般的な超共役が、p軌道に隣接した軌道間での相互作用になりますが、スピロ共役はπ共役系のLUMO軌道(二重結合の場合にはπ*)に、スピロ4置換炭素に隣接したHOMO電子が供与されます。   文献:J. Am. Chem. Soc. 1967, 5208–5215.  

(日本語) 下痢の時にお尻がヒリヒリと痛くなる理由

Sorry, this entry is only available in Japanese. 「下痢の時に、お尻が痛い!!」そんな経験ございませんか? 下痢の時って、別に血は出ていないのに、「切れ痔か?」というほどの痛みがあると思います。 今回の記事ではその原因について言及してみたいと思います! まずは参考資料です。 参考資料 水・電解質の吸収,分沁機構とその異常 花井 洋行, 金子 榮藏 (日本内科学会雑誌1996 年 85 巻 7 号 p. 1034-1041) 胃・十二指腸重炭酸イオン分泌 竹内 孝治 日本薬理学雑誌 (1996 年 108 巻 6 号 p. 281-293) この2報は日本語で読みやすいので、ぜひ目をお通しください!   下痢の時に肛門が痛くなる理由 実はこの記事はtwitterで目にしたこんなツイートから書くことを決めました。 確かにそれっぽそう! 暇な科学者いたら、pH試験紙で確かめてみてほしい。 https://t.co/BJUoczWRHi — 化学系薬剤師Takashi@博士・理系とーく (@TKurohara) February 7, 2019 ふむふむ、下痢がアルカリで肛門粘膜が溶けるということですね!確かに理にかなっているし納得できます。ということで情報を整理してみました。   小腸のpHは7~8以上と塩基性 ヒトの胃液は酸性で、pH=1ぐらいということは知っている方が多いと思います。人体の構成を考えると、胃で酸性になった食べ物は腸から糞便になるまでに中和される必要があります。実は、小腸で分泌させる「腸液」が塩基性であり、これが胃酸を中和しています。   腸内のpH変動(十二指腸→空腸→回腸→大腸) Evansらの報告「Measurement of gastrointestinal pH profiles in normal ambulant human subjects.」では回腸付近でpHが8付近まで高くなり、大腸にかけてpH=7に戻っていくという研究結果を得ています。 しかしこの研究は腸のどの部位でpHが変化しているかがざっくりとしかわかっていませんでした。 そこで、横浜市立大の飯田先生らがpHカプセルを使って正確な腸の位置とpHの変化を決定する研究に挑戦したようです。「A new non-invasive modality for recording sequential images and the pH of the small bowel.」という文献で結果が報告されていると思いますが、ライセンスがなく読めませんでした。結果としてpHは7.2~8.1が観測されたようです。 ここからは私の勘ですが、回腸付近で便のpHは8付近まで上昇するみたいですね。   下痢便のpHを測定している文献は見つけられなかったが、下痢の時にはアシドーシスになる 下痢便のpHを測定している研究は「これ」というものは見つけられませんでしたが、pH補正のガイドラインとかでも時々書かれているように下痢の時にはアシドーシスが起きます。ただし、積極的に中和剤を投薬するほど重症化はしないみたいですね。     現時点ではこれぐらいにさせていただきます。そのうちリライトして、記事をきれいにします。 下痢の種類 最後に、下痢の種類をまとめておきます。 浸透圧性下痢 塩類下剤(硫酸塩,燐酸塩),マグネシウム 侵出性下痢 腸粘膜障害のため粘膜の浮腫,充血,潰瘍形成など 分泌性下痢   腸管運動異常による下痢 甲状腺機能亢進症や過敏性大腸症候群,迷走神経切断術,カルチノイド症候群,回盲部切除術,糖尿病神経症など  

(日本語) 乳び胸に対してオクトレオチドを処方する理由

Sorry, this entry is only available in Japanese. 質問を受けましたので、簡潔にまとめます。 今回の質問は、 「乳び胸の治療でサンドスタチン(一般名:オクトレオチド)を使用するんだけど、理由は?あと副作用で消化器症状が出るのはなぜ?」 というものです。 お恥ずかしながら、「乳び胸」という言葉は初めてでした。ということで、疾患の説明から入っていきます。   乳び胸(乳糜胸)とは? リンパ管の一種である「胸管」からリンパ液が漏出し、胸腔に溜まる症状のことを指すようです。 腹腔に溜まる例もある様ですね(乳び腹水に対してオクトレオチド投与が有効であった子宮頸癌)。 腸管から吸収された脂肪の おおよそ70% は腸間膜リンパ管→乳び槽→胸管へと移行していきます。乳び槽のリンパ液の 50~ 90%は小腸及び肝臓由来とされているようです。   オクトレオチドの作用機序と方意 作用機序 ヒトの脳下垂体からは、様々なペプチドホルモン(向腺性ホルモン)が分泌されます。 脳下垂体の上部に視床下部がありますが、視床下部はソマトスタチン(SS)を分泌し、脳下垂体からのホルモン分泌を抑制します。 (そのほかに膵臓ランゲルハンス島細胞や消化管からも分泌) オクトレオチドは、ソマトスタチンの誘導体であり、ソマトスタチン同様に脳下垂体からのホルモン分泌を抑制します。 そのため、脳下垂体から分泌されている成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制する目的で使用されます。 このオクトレオチドは、ソマトスタチンレセプター(SSTR)に結合して機能を発揮します。SSTRには1~5のサブタイプが存在しており、親和性はSSTR2>SSTR5>SSTR3の順序です。 それぞれの分布は SSTR2:脳, 腎臓 SSTR5:脳,心臓,副腎,胎盤,下垂体,小腸,骨格筋 SSTR3:脳,膵臓 上記のようになっています。 消化管のSSTRに結合した場合には、ガストリン、セクレチン、コレシストキニンの分泌を抑制し、消化管の運動量を低下させます。 当然消化器に対して副作用も出てしまいます。   処方意図 「消化管の機能を抑えるため」 ズバリこれですね。上述した通り、乳び胸はリンパ液の漏出ですので、消化管からのリンパ液量を減少させることで状態を改善させることができます。 消化管の機能が抑制されれば、消化管の血流量も減少するので、リンパ液の両も減少することが期待できるかとおもいます。   実際にソマトスタチン系の薬剤は、乳び漏出の抑制に使用されており、1990年の初めの報告以降、種々のケースで使用されています。 Reduction of lymphorrhagia from ruptured thoracic duct by somatostatin 左腎尿管全摘術後に生じた乳糜漏の 1 例 乳び腹水に対してオクトレオチド投与が有効であった子宮頸癌 現時点ではここまでの解説とさせていただきます。 また時間があるときに、より良く書き直していきたいと思います。 読んでいただきありがとうございました。

(日本語) 【化学:塩の性質】難溶性塩が溶けにくい理由

Sorry, this entry is only available in Japanese. [本記事は、まだ執筆途中です。他記事の参考情報に使うためだけに、とりあえず簡単に書いています。ご容赦ください。]   難溶性の塩といえば、アルカリ土類金属塩が多いですが、今回は塩が溶けにくくなるメカニズムを解説します。 この記事を作成する過程で関連記事を見つけたので共有しておきます。 水溶性の塩と難溶性の塩 第二族金属とその化合物   溶けにくい塩の特徴 カチオンとアニオンのサイズ(イオン半径)がほぼ同じ イメージ論ですが、塩の結晶としての安定性を考えたときに、同じ大きさのプラスとマイナスが交互にきれいに並ぶと安定な感じがします。二種のイオンが接することなく配列できます。 逆に、たとえは大きなカチオンと小さなアニオン塩の組み合わせでは、小さなアニオンの周辺に大きなカチオンがまとわりつくことになります。これによりカチオンとカチオンが接近していまい、静電反発が生じてしまいます。これが水と混合されると分散し、すなわち溶け易い性質を示します。   イオンサイズ差が小さい多価イオン塩 水は水素結合でモノを溶かしています。これは、OーH結合の分極による水素のδ+で⊖イオンを包み込み、酸素のローンペアδ-を使って⊕イオンを包み込みます。 一方で、塩は⊕と⊖いうより強い結合で相互作用しています。当然ながら、[⊕…δ-][⊖…δ+]の相互作用より、[⊕…⊖]の相互作用の方が強くなります。ましてや、[2⊕…3⊖]とかだとなおさらでしょう。 一般的に多価イオンでも問題なく溶けるのですが、イオンサイズの差があまりなく、このファクターが加わると、余計溶けにくくなります。   アルカリ土類金属と言えば、2価のカチオンで、高周期の元素イオンが不溶の塩を形成しがちです。これのリン酸塩や硫酸塩は、難溶性の性質を持ちやすくなります。   本記事は、他記事の補足情報に使用するために、取り合えずのものとして書きました。現時点ではここまでの内容で失礼します。 詳細図などは、作成中なのでお待ちください。

Carbocisteine and Ethyl-cisteine

Sorry, this entry is only available in Japanese. 薬剤師国家試験では、エチルシステインとカルボシステインの作用機序が良く出題されます。 カルボシステインは気道粘液中のムコタンパクのジスルフィド結合を開裂させる この問題文時々見ますよね?正解は✗です。 カルボシステインは、フコースとシアル酸の量を調製します。 この「~システイン」を構造に基づいて解説します。   ~システイン系薬剤の構造 [上段]Methyl L‐Cysteine、Ethyl L‐Cysteine、Acetylcysteine [下段]L-Carbocisteine 化学構造になれている人なら、「ピン!」ときますが、わからない人だっているかと思います。 分子構造上の最大の違いは、SH基です。 これが作用機序の違いになります。 上段の化合物群は、SH基の還元力を基に薬効を示します! 以下に解説行きます!! 先にメジャーなカルボシステインから行きます!      

(日本語) 【電子求引基・電子供与基】の違いを理解する。芳香族求電子置換反応でのオルト/パラ配向性、メタ配向性など

Sorry, this entry is only available in Japanese. 薬学部に入って有機化学を学び始めると登場する、最初の壁だと思います。 電子求引基と電子供与基 の簡単な理解方法を解説します。 [電気陰性度が高い置換基が、電子を引っ張る]ということは、多くの人が理解できている のですが、 芳香族化合物に置換した場合、必ずしも 高い電気陰性度=電子求引基 ではありません。 もう一度言っておきます、 「芳香族に置換した場合」です! 芳香族に置換している置換基が、芳香環上の電子を引く度合いは、 電気陰性度とは関係ありません!   芳香族に置換した場合、電気陰性度による誘起効果(σ結合の電子求引)よりも、共鳴効果が優先的に影響します。   この特徴を理解するためには、一度頭をリセットし、電気陰性度を無視します。 そして、ベンゼン環に直接置換している原子に着目しましょう。 ポイントは…置換基が持っている軌道です! 芳香環に直接置換している原子が、 空のp軌道を持っている場合、電子求引基 ローンペアを持っている場合、電子供与基 として働きます!   では、芳香族化合物に置換した場合の電子求引基、電子供与基のふるまいの変化を解説します。 ※本記事では「簡便な理解」を優先するため、反応の主要な矢印以外を省略しています。   電子求引基と電子供与基の構造的特徴   芳香環上で進行する反応に対する置換基の効果(活性化基・不活性化基) 芳香族の置換基のことを、活性化基や不活性化基と表現することがありますよね? これは、求電子反応に対して、活性か否かということを意味しています。   ベンゼン環の様な、芳香族化合物上で置換反応が進行する際、2つの反応機構が想定できます。 求核的な置換と求電子的な置換です。   求核置換反応では、何らかの脱離基(LG: Leaving group)が求核種(Nu)と入れ替わります。 この時アニオン中間体が生じるので、電子求引基が置換していれば反応は加速されます。   求電子置換反応では、求電子種がベンゼン環の電子を奪う機構で進行します。 この反応は、カチオン中間体が生じるので、電子供与基が置換して入れば反応は加速されます。     オルト/パラ、メタ配向性(ここ重要!!) 電子求引基がメタ配向性、電子供与基がオルト/パラ配向性といいますが それは、あくまでも 「求電子置換反応において」という前提 があることを忘れないでください。   電子求引基はオルト/パラ位の電子密度を低下させることで、 求電子反応がメタ位でしか進行しないようにしています。   電子供与基はオルト/パラ位の電子密度を上昇させることで 求電子反応がオルト/パラ位で進行しやすくさせています。   電子求引基・電子供与基の強さの決められ方(Hammet値) 電子供与や電子求引の程度は、Hammet値によって決定されています。 Hammet値を見れば細かい強弱は理解することができます。 ケムステにいい記事があるので参照ください。 Hammet則 σ = log(KR/KH) で評価されますが、置換基Rが芳香族上での求電子置換反応を、無置換体Hと比べて促進していれば、マイナスの値をとります。 つまり、小さい方が活性化基となりますね。   ざっくりとまとめましたが、少しでも読者の理解に役立てば幸いです! 最後まで読んでいただきありがとうございました!

(日本語) 1次資料、2次資料、3次資料、0次資料を理解する事の大切さ

Sorry, this entry is only available in Japanese. 薬剤師の国家試験模試でもよく、資料のタイプについては出題されますが 私が学生の時代は、「そんなことどうでもいい」という感じでした。 これの大切さを知り始めたのは、論文を読むようになってからでしたね。 つまり、その大切さを知らないということは、論文を読み足りていないということじゃないでしょうか?   1次資料 原著論文、総説   いわゆる最新の研究結果です。 現在、多くの論文が日に日に公開されています。 中には、研究データが正確ではないものや、実用できないものも数多くあります。 信じるべきデータと疑うべきデータの線引きが必要です。 信じすぎずに、心のなかである程度「へぇ~」と、とらえてみるのもいいかと思います。     2次資料 Index Medicus, MEDLINE (Pubmed) Chemical Abstracts, Biological Abstracts, Scifinder, web of science など   1次資料をまとめたものです。 言い換えれば、1次資料を探すためのツールです。 これに詳しくなければ、論文を探すことができません。 このHPのリンクページにもいろいろな検索サイトをまとめているので参考にしてください。     3次資料 医薬品集(今日の治療薬、治療薬マニュアルなど)、参考書、添付文書、インタビューフォームなど   確証が得られている研究データをまとめ、広く伝えやすいように情報を加工したものです。 長年の確証が得られたものであるため、言い換えれば、土台となる情報です。   0次資料 研究報告資料、学会 まだ論文になっていない、データなどを0次資料と呼ぶようです。   まとめ ここまで触れませんでしたが、0~3次資料を取り扱う上で、知っておくべきことは、その情報の正確さです。 3次資料は、長い科学の歴史で、「確実」とされてきたことで、多くの人が使用しています。 ですが、20~30以上前の研究結果などが積み重なったものなんです。 そのため、最近の情報からは程遠いんです。 専門職は、できるだけ最新の情報を知っておく必要があるのは言うまでもないことですが、それを過信しすぎてもいけません。    

サルファ剤

Sorry, this entry is only available in Japanese. サルファ剤は、スルホンアミド(sulfonamide)系の合成抗菌薬です。 1932年にアゾ染料のプロントジルに抗連鎖球菌活性が見出され、利用されるようになった抗菌薬です。 サルファ剤の種類 プロントジル スルファジアジン スルファニルアミド スルファメトキサゾール スルファキノキサリン など があります。 ですが、現在医薬品として使用されているのは、スルファメトキサゾールのみです。 スルファメトキサゾールは、トリメトプリムと合剤として使用されます。 この理由は、次の項目を読んでください。 サルファ剤の作用機序 細菌は、パラアミノ安息香酸(PABA)から、DNAの材料であるプリン塩基を合成します。 また、トリメトプリムはジヒドロ葉酸ができる工程を阻害するために相乗効果が期待できます。   パラアミノ安息香酸(PABA) ↓←サルファ剤が阻害 ジヒドロ葉酸 ↓←トリメトプリムが阻害 テトラヒドロ葉酸 ↓ プリン塩基   要するに、細菌が増殖(細胞分裂)するためには、DNAが二倍量になる必要があります。 ですが、DNAを二倍量にすることができなければ細菌は増殖することができません。 DNAのプリン塩基になる前駆物質がPABAですが、これがプリン塩基へと変換する工程を阻害するのがサルファ剤です。 トリメトプリムは、プリン塩基合成の別の段階(ジヒドロ葉酸 → テトラヒドロ葉酸)を阻害するために、相乗効果が期待されます。 よってこの2剤は合剤として使用されるのです。これがST合剤です。   他の抗菌薬との違い サルファ剤の製剤としては、バクタ、バクトラミンがあります。 後発薬品でいえばダイフェンです。 臨床にいたら聞いたことある薬だとは思います。 作用機序でも紹介したように、細胞の生存機能ではなく、細胞分裂を止めるため、静菌的な作用です。 なので、抗菌力は弱く耐性が生じやすいのが問題となる薬剤です。