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【注射剤の変化】遮光が必要な注射剤一覧 光による分解の機構

2019年05月24日

注射剤って時々遮光しなければならないものや、あらかじめ遮光バッグに入っているものがあります。

国試でも出題されるので、覚えていたりはするのですが、ただの暗記って面白くありません。

そこで、注射剤の中の分解される成分について知見・考察をまとめてみました。

投与時に遮光が必要な注射剤輸液一覧

 

ビタミン剤

ビタミン類は光や熱で分解されやすいものが多いので注意が必要です。

ビタミン類の光分解だけで記事が書けそうなので、そのうち書きます。文献だけ羅列しておきます。

ビタミンを含有する製剤には、エルネオパ、オーツカMV、ケイツーN、ビーフリードなどがあります。

お役立ちメモ

 

【脂溶性】ビタミン E, Kの光分解(A,D?)

ビタミンE:トコフェロールの酸化生成物と代謝産物

ビタミンK:安定性実験ビタミンK1の光分解と安定化(第1報)

【水溶性】ビタミンB2、B6、B12、Cの光分解

ビタミンB_6の光および熱反応生成物の解析

ビタミンB12:Photolysis of cyanocobalamin in aqueous solution

ビタミンC:L-アスコルビン酸の光分解に関する研究, 分解機構は見つかりませんでした

 

イリノテカン カンプト点滴静注100mg

文献を調べてみたところイリノテカンの光分解産物が報告されていましたので、分解の機構を考えてみました。あまり自身はありません。ご指摘がありましたら教えていただけると幸いです。「へぇー」ぐらいでご覧ください。
※機構について確証はございませんので、重要な場で使う場合には自己責任でお願いします。

イリノテカンの光分解機構を考えてみました

 

シスプラチン シスプラチン注

配位子の塩素が水酸基と置換するということです。

Decomposition of cisplatin in aqueous solutions containing chlorides by ultrasonic energy and light

この文献に載ってそうですが、私は入手できないので、他の文献を見つけてから書き直します。

 

ダカルバジン ダカルバジン注用

血管痛を引き起こす代表選手。詳細は過去記事ダカルバジンの光分解機構を参照ください。

ダカルバジンが光により分解され、血管炎の原因物質であるDiazo-ICが生成します

Causative agent of vascular pain among photodegradation products of dacarbazine, J Pharm Pharmacol, 2002, 54, 1117-1122.
Dacarbazineの光分解によって生成する発痛物質の探索, 臨床薬理, 2001, 32, 15-22.)

 

ミカファンギン ファンガード点滴用

詳細は過去記事ミカファンギンの光分解機構と分解生成物の考察をご覧ください

 

ゲムツズマブオゾガマイシン マイロターグ点滴静注用5㎎

IFを読むと「遊離カリケアマイシン誘導体の増加が認められた」という記載があります。

ゲムツズマブオゾガマイシンは、カリケアマイシンとモノクローナル抗体がくっついたものです。リンカー部分には、ヒドラゾンやジスルフィド結合が含まれているので、光によって直接的または、活性酸素を介してこれらが切れた可能性が考えられるかと思います。

 

タラポルフィンナトリウム 注射用レザフィリン100㎎

ポルフィリンから成る医薬品です。まさに光の影響を受けやすそうですが…

固体では安定だか、水溶液+光条件では24時間で90%以上が分解するようです。

文献に関してはまだ見つけることができてないので、今後情報を追加してきます。

 

 

以上、現時点では文献リンクなどの情報だけをまとめさせていただきました。

細かい図などの解説は、今後書いていきたいと思います。